漫画・縄文の食卓

5000年前の青森三内丸山に暮らす縄文人が、津軽の方言で会話する漫画『縄文の食卓』

縄文の食卓

キャラクターの表情を描き分ける。

最近はネット上の様々なところで、イラストを描いている動画を見みかけます。

それらの動画を見ていてふと気がついたのは、人物を描く時、必ずと言っていいほど頭から描き始めています。

例外にもれず僕も頭から描く派で、全体のアタリをざっくりとったら、次に描き込むのは髪の毛や顔です。しかもアタリをとる時まで頭の位置から描き始めます。

 

もちろん違う部分から描いても、その方が全体をまとめやすいなら何の問題もないのですが、一応理由があります。

なぜ頭と顔から描くかというと、頭身のバランスを見るためと、キャラクターの表情でどういう絵にするのか、方向性が決まるからです。

今回は、その表情についてのうんちくです。

 

 

 

 

顔だけである程度の感情を伝える。

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表情の違いで、キャラクターが何を思っているのか描き分けることは、マンガを描くための基本中の基本じゃないかと思います。

そのため、キャラクターデザインが出来上がってから次にやったことは、顔つきに変化をつけた感情表現でした。

 

とりあえず笑顔から入って、泣かせてみたり、怒らせてみたり、色々描いてみましたが、顔面だけでも結構感情が伝わります。

大体は目の形で決まりますが、それに付随して、眉毛と口でほとんどの表情が出来上がります。

描いていて思ったのは、鼻はあんまり変えなくても問題ないということです。

 

でも、一般的に漫画は顔だけで表現するわけではないので、体や手足の動きなど、もっと付け加えていくべきことが出てきます。

 

 

手を添えて更に表情に変化をつける。

表情の描き分けの基本。

顔だけでもそれなりに感情表現できますが、意図的に頭部だけで見せる以外は、キャラクターの全身を描くことになります。

体まで入れた絵の場合、手の位置や頭の傾きによっても、何を伝えようとしてるのか描き分けることになります。

例えば、怒っているのに棒立ちでは不自然ですし、泣いているのに怒っている時と首から下の動きが同じではおかしいです。

あまりにも当たり前の事ですが、この基本を大げさに描いてやる事で、場面毎の表情に変化をつけています。

 

動かす場所によって伝えたいことが変わる。 

kazuyacoda

 

上のイラストは、過去にツイッターにアップしたイラストをまとめた物ですが、必要最低限の変化で、しっかり表情が違って見えるイラストの分かりやすい例です。

どこを動かせば感情表現につながるのかが、パッと見で分かる内容になっています。

目や口の動きを変えて、さらに頭の傾きと手の位置を変化させることで、「喜怒哀楽」それぞれの表現を強調しています。

作画構成的には、体も頭の形も同じレイヤーをコピーして使っています。

それでもしっかり表情が変わることを確認できるイラストです。

 

 

全身で見た場合の表現。

キャラクターの感情と状態を絵で説明する。

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続けて別のイラストの例をあげてみます。

上のイラストは、やっぱりツイッター上にアップした過去絵の編集版ですが、分かりやすいので採用しました。

 

上の絵の場合「みざる、いわざる、きかざる」の言葉に合わせて、それぞれの動きを決めています。

座っている絵なので、おもに上半身の動きで表情に変化をつけます。

この場合でも基本は同じです。

手の位置と頭の傾きの描きわけで、キャラクターの状態や言いたいことを伝えています。

立っている絵であれば、足の開き具合や動き方でも、見る側の印象が違ってきます。

 

ポイントは、思いっきり大げさにして、パッと見てすぐ感情が伝わるようにしています。

笑っちゃうくらいの誇張ぶりですが、このくらいのほうが見る人に伝わりやすいと思います。

これをすごく堅い言い方にすると「絵で感情の説明をする作業」という事になります。

 

動きを描くのは必要なところだけで十分。

漫画の内容的には、わざと3カット続けて同じ位置にキャラクターを座らせています。

4コマの流れを考えて、最後にオチとしてひっくり返るカットに持っていくための狙いです。

 

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そして見ての通り、キャラクターの腰から下は全く同じです。

上半身の変化で表現することを前提にしているので、下半身は同じ画像を使うことにしました。そのために上半身と下半身を最初から別レイヤーに描いています。

横にいるワンコも同じく、基本的には頭と尻尾の動きで表現することを想定していたので、体は同じ画像のコピーを使っています。

 

このやり方はデジタルならではと思われそうですが、アナログでもトレースとコピー機を駆使すれば、同じようなことができます。

 

なに、コピペじゃねーか、ずるいわって?

いやいや、時短のテクニックでしょ。

 

 

単純な絵だからこそ大げさな動きで魅せる。

ここで描いているコミックイラストは、デザインの段階で極力単純化しています。

写実的な絵に比べて線の量が少ない分、どうしたって表情がわかりにくくなりがちです。

そのため、繰り返しになりますが、動きを大げさにする事で分かりやすくする必要があるわけです。

 

特に手の動きは下書きの段階で描き直すことが結構あって、結果的にやっぱりオーバーな表現が一番はまります。

一旦描いてみて、今よりもヒジの位置を上げてみるとか、足をもっと広げてみるとか、体の傾きを大きく変えてみるとか、納得いくまで色々やることもあります。

 

キャラクターの動きをなくして、棒立ちの二人が吹き出しで会話する形式でも成り立ちますが、うちの場合は多少時間がかかっても、キャラクターそのもので魅せることを意識しています。

逆に言えば、それが描きたかったわけです。

そのために、基本中の基本となる表情の描き分けが大切になるということで、今回ブログ記事にしてみました。

自分がやったことのまとめとしてだけでなく、イラストや漫画を描きはじめた方の参考になればいいなと思う次第。

 

それじゃ、また次回。

 

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